白狸の考現家 +図書

40手前で「読書」に目覚めた遅口です。知が凝縮された「宝物」。気付くのが遅すぎました・・・

契丹国 ―遊牧の民キタイの王朝

 

契丹国―遊牧の民キタイの王朝 (東方選書)

契丹国―遊牧の民キタイの王朝 (東方選書)

  • 作者:島田 正郎
  • 発売日: 2014/12/04
  • メディア: 単行本
 

www.kinokuniya.co.jp

内容説明
九世紀半ば、北・中央アジアでは、唐・ウイグル吐蕃の三大帝国の勢力が弱まって真空状態が生じ、多くの遊牧民が一斉に活動を開始した。なかでも国家滅亡後も西方では中国を指す呼称となった“キタイ”が勢威をふるった。本書はこのキタイ(契丹=遼)国について、『遼代社会史研究』『遼朝官制の研究』『遼朝史の研究』などを著してきた遼代史の専門家である著者が初めて一般読者を対象に書き下ろした書である。第1部では、キタイの勃興から滅亡までを概説する。第2部では、学界における論争も紹介しながら、征服王朝説などを退け、キタイ国が中国史王朝の系列外の胡族国家であるという著者長年来の主張を軸に、歴代異族王朝のなかで、漢族の習いを拒み、民族的伝統を貫き、ひときわ異彩を放ったキタイ国の独自性を、その制度・宗教・社会・経済・文化などの多方面からとらえる。第3部では、初代帝王耶律阿保機の長子として生まれ、皇太子に冊立されながら、弟との確執のなか帝位を譲り、最後は故国を脱出し唐土に死した、文人としても名高い倍に焦点を当て、草創期の王朝内部の人間模様からキタイ国の実情を探る。


目次
1 キタイ(契丹・遼)国の興亡(勃興前の契丹契丹国の成立;耶律阿保機の事蹟 ほか)
2 キタイ(契丹・遼)国の制度と社会(統治の仕組み;契丹・漢二元の官制;騎馬の精強軍団 ほか)
3 悲劇の王、倍(倍の生い立ち;父、阿保機の死と倍の譲国;東丹の国都を遼陽に遷す ほか)


著者等紹介
島田正郎[シマダマサオ]
1915年東京に生まれる。1939年東京大学文学部東洋史学科卒。1942~47年東方文化学院研究員、東京大学文学部研究嘱託。1947~48年東京大学附置東洋文化研究所員。1951年法学博士。1951~84年明治大学法学部教授。1984年明治大学名誉教授。1984~92年明治大学総長。2009年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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