白狸の考現家 +図書

40手前で「読書」に目覚めた遅口です。知が凝縮された「宝物」。気付くのが遅すぎました・・・

情報生産者になってみた―上野千鶴子に極意を学ぶ

※紙媒体と電子書籍Kindle版があります。ご購入される際には十分ご注意下さい。

一九九三年から二〇一一年にかけて開かれていた、東大文学部「上野ゼミ」。あまりの厳しさゆえに一時は志望者がゼロだったこともあるが、多くの同ゼミ出身者が、今や研究者やジャーナリスト、あるいは社会起業家として、たくましく情報生産者の道を歩んでいる。上野ゼミで、彼らは何を学び、どう応用したのか。どこに行ってもアウトプットができる力は、どのように育まれたのか。かつての教え子たちによる、『情報生産者になる』の必携副読本。

【目次】
まえがき

第一章 ゼミ卒業生が語る、上野ゼミの一年間 坂爪真吾
【四月】「日本最恐」のゼミ、始動/ゲイの先輩の発表に圧倒される/【五月】先行文献の批判的検討に挑む/プロの研究者の文献を、ゼミに入ったばかりの三年生が批判する/【六月】卒論の研究計画書の発表(四年生)/【夏休み】ゼミ生の仲間たちで渋谷・円山町のラブホ街を定点観測/【夏合宿】朝九時から夜一〇時までひたすら発表・議論/レスカのナイフが胸を刺す! /【一〇月】研究の目次と草稿発表/目次発表が辛い理由/「言葉の刃物」が「ファンレター」に変わる/【一一月】コンテンツをつくる(草稿発表)/内在的なコメントの撃ち合いによる疲弊/【一二月】卒論報告会/【一月】三年生の草稿発表/【二月】最後の地獄・冬のゼミ合宿/上野ゼミサバイバル心得・六箇条

第二章 上野ゼミで教わったこと
1 論文を書く力は、〇(ゼロ)から一(イチ)を生む力 大滝世津子
山の庵に/論文の書き方がわからない! /論文のお作法⁉/「上野の教え」は役立っているか/上野ゼミの顕在的カリキュラム/問題設定/対象・方法/先行研究の批判的検討/理論的枠組みの設定/分析および考察/結論/本研究の意義と限界(課題と展望)/その他の顕在的カリキュラム/上野ゼミの潜在的カリキュラム/情報生産者になりました

2 「個人の問いを社会の問いにつなげる知」の実践 開沼博
大学のいま/個人の問いを社会の問いにつなげる知/上野ゼミとの出会い/レジュメにイラストを描く人は大成する/ゼミ合宿での学び/明確化・俯瞰・構造化

3 ストーリーで届ける、人の言葉で語る 中村かさね
「届ける」ための5W1H/上野ゼミで浦和レッズを研究する/教育者・上野千鶴子の懐の深さ/はじめて意識した「読者」/「ジェンダー」を避けていた私が上野ゼミに/三〇代が三〇代を取材した「リアル30's」/「モヤモヤ」を掬いあげる/取材相手と一緒に作る/読者とつながる/「個人的なことは政治的なこと」/社会の「空気」を変えるために/バトンをつなぐ

4 情報生産者を育てる「教え方」 竹内慶至
はじめに ―― 「実技」試験/先行研究とオリジナリティ/「上野ゼミ解説本=竹内ゼミ解説本」としての『情報生産者になる』/オープンネス ―― 「楽屋裏」を見せること/「伝達可能な知」の生産と伝達/教育者としてのまなざしと姿勢/これからの時代の大学教員/学ぶこと=真似ること/おわりに ―― 結局合格できたのか?!

5 上野ゼミに入った社会学オタクが社会起業家になるまで 坂爪真吾
光の当たらない性の領域でのアクションリサーチ/表面的な技術や方法論を超えた「何か」を求めて/「宗教としての社会学」を享受できた最後の世代/上野千鶴子、我らがシャーマン/機械仕掛けの歌舞伎町の女王/「なんちゃってウェルメイドセオリー」に閉じ込められる/上野ゼミと宮台ゼミの比較/機械仕掛けの社会学的幸福論/機械仕掛けの社会学的幸福論の結論/シャーマンとの直接対決/存在する限りにおいては問い続けよ

6 社会が先、学問が後の立命館ゼミ 中野円佳
遅ればせながら、上野ゼミの扉をたたく/個性豊かな立命館ゼミ生たちの当事者としての問い/女性学における上野vs中野論争/「論客になる」目標はどうなったか/情報生産者にこれからなる/追記

第三章 上野ゼミを社会学する ―― KJ法の実践 竹内慶至+大滝世津子
1 上野ゼミ生アンケート
2「うえの式質的分析法」について
3 具体的な手順
4 分析結果
5 アンケートで見えてきたことと限界

第四章 座談会 バトンを未来につなぐ 上野千鶴子+上野ゼミ卒業生チーム
多様すぎる上野ゼミ生たちの研究テーマ、実際はどう思ってた?/運動家「上野千鶴子」と教育者「上野千鶴子」、その線引きは?/「保健室」としての上野研究室/卒業生へのアフターケア/「社会をのぞく窓」としての上野ゼミ/フェミニズムの〝バトン〞は渡ったか/情報生産者として「越境」する/未来につなぐバトン

あとがき

 

www.kinokuniya.co.jp

 

出版社内容情報

かつて志望者ゼロだったこともある”最恐のゼミ”で、卒業生たちは何を学び、どう活かしてきたのか。上野千鶴子『情報生産者になる』の必携副読本。

内容説明

一九九三年から二〇一一年にかけて開かれていた、東大文学部「上野ゼミ」。あまりの厳しさゆえに一時は志望者がゼロだったこともあるが、多くの同ゼミ出身者が、今や研究者やジャーナリスト、あるいは社会起業家として、たくましく情報生産者の道を歩んでいる。上野ゼミで、彼らは何を学び、どう応用したのか。どこに行ってもアウトプットができる力は、どのように育まれたのか。かつての教え子たちによる、『情報生産者になる』の必携副読本。

目次

第1章 ゼミ卒業生が語る、上野ゼミの一年間(「日本最恐」のゼミ、始動;ゲイの先輩の発表に圧倒される ほか)
第2章 上野ゼミで教わったこと(論文を書く力は、〇から一を生む力;「個人の問いを社会の問いにつなげる知」の実践 ほか)
第3章 上野ゼミを社会学する―KJ法の実践(上野ゼミ生アンケート;「うえの式質的分析法」について ほか)
第4章 座談会 バトンを未来につなぐ(上野千鶴子+上野ゼミ卒業生チーム)(多様すぎる上野ゼミ生たちの研究テーマ、実際はどう思ってた?;運動家「上野千鶴子」と教育者「上野千鶴子」、その線引きは? ほか)