内容説明
裁判史料『清明集』を読み解いて新たな中国像にせまる。教化されるべき「愚民」たちの“利己”主張、かげで暗躍する訴訟ゴロ、金と権力にモノを言わせる士人・豪民、欲と得とがせめぎ合う裁きの場―中国人の苛烈な人間関係をあぶり出す。
目次
プロローグ 健訟の歴史世界
1 地方官の憂鬱―訟師・譁徒
2 処罰の前には試験を一題―士人・宗室
3 檻のなかの乱痴気騒ぎ―同悪相済あるいは為悪貫盈
4 取れるヤツからむしり取れ―欺凌孤寡
5 浮気女は射撃くらべの賞品―姦穢・乱倫
6 神さまの正体見たり―淫祀・邪教
7 やがて手が出る足が出る―闘殴・競渡
8 街かどのくらやみ―販生口・賭博
エピローグ 果てしなき乱痴騒ぎのかなた