白狸の考現家 +図書

40手前で「読書」に目覚めた遅口です。知が凝縮された「宝物」。気付くのが遅すぎました・・・

欧米社会の集団妄想とカルト症候群 少年十字軍、千年王国、魔女狩り、KKK、人種主義の生成と連鎖

 

欧米社会の集団妄想とカルト症候群――少年十字軍、千年王国、魔女狩り、KKK、人種主義の生成と連鎖

欧米社会の集団妄想とカルト症候群――少年十字軍、千年王国、魔女狩り、KKK、人種主義の生成と連鎖

 

┣■歴史好きの人ならば割と聞き覚えのある「社会心理?の出来事」がまとめて掲載されています。序章に歴史年代表が一挙掲載されているのですが、こういう事件モノの一覧表を見ると思わずほくそ笑んでしまっている自分が怖い。(^^ゞ もちろん「アホやな~」な心境のわけですが・・・ 

┣■地図や絵が適度に挿入されており、分厚い本ですが結構読みやすくなってます。分析もなかなか説得力があり、面白かったです。「歴史は繰り返す」と言いますからね。これらの事象も読んで知っておくに越したことはないですね。

┣■『人狼伝説』というのが実在するモノだとは今まで存じ上げなかったですね。映画などの狼男などとは全く異なり、家畜や子供を襲う野蛮な存在。しかしそれはスケープゴートに過ぎなかったという悲しいお話。いつの時代も金ある者は僅かなそれを守るために平気でウソを付く。そちらの方をモンスター化にして欲しいところですが、金持ちや高貴な者はよほどの失態を犯さない限り(ドラキュラ伯爵など)モンスターにはならない。「権力を持つこと自体が魔物と化す」ことをよく覚えて欲しいと思います。

┗■日本でも盛んになりつつあるヘイトスピーチ。パニック・熱狂とともに強いカリスマ性を持った者が扇動した時の危険性を最後に訴えていました。同感です。大衆は簡単に力のある方へなびきます。私のように気に入らなければ何人であれ噛みつくことをしません。(苦笑) ある程度、距離を保ってくれるのであればとやかく言わないという心理がどうしても働いてしまいますね。古人もきっとそうしたタイプの人間はいたのだと思います。「個性」とか言うけれど、まだ遊びの範疇で社会的には全然だから。。。

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