白狸の考現家 +図書

40手前で「読書」に目覚めた遅口です。知が凝縮された「宝物」。気付くのが遅すぎました・・・

もっと知りたい俵屋宗達 生涯と作品

 

もっと知りたい俵屋宗達―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたい俵屋宗達―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

 

 

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■江戸初期、名プロデューサー本阿弥光悦に見出され、やがて独自の画風を確立。斬新で装飾性豊かな表現で光琳、抱一へと続く「琳派」の流れをつくった希有の絵師、俵屋宗達の作品の全容とその独創の秘密。宗達は、天才光琳が私淑するほどの絵師でありながら、その生涯はよくわかっていない。が、本書では、著者の知見をもとにあえて年代別構成を試み、宗達絵画の進化(深化)に意欲的に迫っている。
宗達様式の出現する「平家納経」補修に始まり、光悦の書との絶妙なハーモニー、清新な生気を醸す水墨画風神雷神図にみる奔放かつ緻密な大画面構成など、宗達絵画の魅力を満載。

 

目 次
<はじめに>機知と豊麗ー伝統をせられた甦らせた宗達絵画の独創 村重 寧(むらしげやすし)

序章 謎に包まれた前半生 宗達様式の出現
十六世紀後半-慶長七年(1602年)頃
◆王朝美への憧憬ー平家納経の補作
【コラム】平家納経ー一門の力を結集した荘厳

第一章 光悦との競艶 書画のハーモニー
慶長八年(1603年)頃-元和六年(1620年)頃
◆料紙装飾の美麗ー花鳥画の小世界
【特集】偉大なアートディレクター本阿弥光悦
【特集】現代の出版の先駆け「嵯峨本」の刊行
【コラム】四季絵の流行
【コラム】鷹ガ峰の光悦寺
【コラム】辻邦生の『嵯峨野明月記(さがのめいげつき)』を読む

第二章 絵師としての自立 独創の絵画世界へ
元和七年(1621年)頃-寛永六年(1629年)頃
◆叙情を奏でる水墨画ー親しみやすい和の世界
【特集】冴えわたる造形感覚 扇絵の乱舞
【特集】伊勢物語への取り組み 豊潤な物語世界
【コラム】京都で大人気・俵屋の扇

第三章 法橋画家の自負 大画面装飾様式の完成
寛永七年(1630年)頃-寛永十五年(1638年)頃
◆抑揚豊かな筆墨の追求ー法橋時代の水墨画
◆大画面への挑戦ー独自の金碧画創出
【特集】同時代の画家たち
◆土佐派・狩野派の動向と宗達
【特集】宗達が採用した屏風の形式
◆六曲一双と二曲一双
宗達の技】複線により波紋を描く
宗達の技】さまざまな波の描写
宗達の技】著色画へも応用された「たらし込み」の技法
宗達の技】柔らかな雲の質感を銀墨で表現
【コラム】烏丸廣の奥書
【コラム】水墨画の和様化
【コラム】新発見の文献

第四章 後継者たちの装飾表現 宗達様式の継承
寛永十六年(1639年)頃-
付章 淋派の系譜 光琳とその後の琳派

おわりに 村重 寧
宗達の創意】
(1)金銀泥絵(きんぎんでいえ)
(2)モチーフの引用
(3)たらし込み
【比べてみよう】
狩野永徳の唐獅子図
牧谿もっけい)の水墨画
光琳・抱一の風神雷神
「伊年(いねん)印」
「法橋宗達」と「宗達法橋」
「伊年(いねん)印」(宗達派)
宗達の周辺】
(1)角倉素庵(すみのくらそあん)
(2)養源院
(3)醍醐寺
(4)烏丸光廣

 

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