聖戦のイコノグラフィ―天皇と兵士・戦死者の図像・表象 (越境する近代)
- 作者: 川村邦光
- 出版社/メーカー: 青弓社
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: 単行本
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内容(「BOOK」データベースより)
「聖戦」としてのアジア・太平洋戦争下で、天皇の身体はどのように表象されたのか―。百点を超える図像=イコノグラフィから「聖戦と弔い」の戦争プロパガンダの実態を照らし出し、天皇・兵士・戦死者の交差点で浮上する「死へと誘う表象」の権力性を解読する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
川村/邦光
1950年、福島県生まれ。大阪大学大学院文学研究科教授。専攻は宗教学、近代文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです紹介
「聖戦」としてのアジア・太平洋戦争下で、天皇の身体は軍神として写真や絵画で表象され、兵士たちは「雄々しい」皇軍精神の象徴として写真に収められた。100点を超える戦中期の図像=イコノグラフィから「聖戦と弔い」の戦争プロパガンダの実態を読む。目次
はじめに──玉砕を唱える教師第1章 視覚史料/資料としての“聖戦”の図像
第2章 聖戦のディスクールと図像
1 聖戦の出現
2 天皇の聖戦勅語
3 画家たちの聖戦と聖戦美術展
4 聖戦のディスクール
5 聖戦と聖断第3章 聖戦に降臨する現人神の図像
1 天皇と皇后のジェンダー写真
2 四パターンの天皇図像
3 昭和天皇の最初の写真
4 聖戦の始まりの天皇像
5 紀元二千六百年の天皇像
6 不可視から上半身・全身の天皇像、そして反復へ
7 崇高なる馬上の天皇イコン
8 神頼みをする歩く全身の天皇像
9 戦況の悪化と天皇・皇后像
10 破局の帝国と軫念する天皇イコン
11 笑顔の“東條さん”の失墜
12 “御稜威”の衰微
13 皇太子の登場
14 帝都大空襲
15 地に墜ちた天子
16 大内山に引き籠もる天皇第4章 聖戦に殉ずる皇軍兵士の図像
1 皇軍勇士の登場
2 陸海軍の軍神の誕生
3 撃ちてし止まむ
4 「撃ちてし止まむ」大写真ポスター
5 「撃ちてし止まむ」群像
6 「撃ちてし止まむ」国民運動とスタイル
7 “無言の凱旋”と弔いの政治化
8 遺骨のない“無言の凱旋”
9 特攻隊の図像
10 捏造された軍神のイコン第5章 敗戦後、天皇イコンの行方
1 益荒男と手弱女のイコン
2 天皇の衣更え
3 天皇の転身/背信
4 「お芝居」する天皇
5 天皇の八月十五日
6 初めての“お笑い”天皇像第6章 聖戦の痕跡としての皇軍兵士の図像
1 聖戦の痕跡となる遺影
2 皇軍兵士の晴れの記念写真
3 出征写真
4 兵士の家族写真
5 戦死者の葬列
6 戦死者の葬儀と祭祀
7 『靖国神社臨時大祭記念写真帖』と招魂式
8 折口信夫の招魂式参列
9 大君は「神としたまふ」
10 アウラを発する英霊の遺影
11 神々の敗北、黄昏、そして滅亡おわりに──戦死者の遺影の痕跡から
あとがき
索引
著者プロフィル
川村 邦光(カワムラ クニミツ)
1950年、福島県生まれ。大阪大学大学院文学研究科教授。専攻は宗教学、近代文化史。著書に『幻視する近代空間』『巫女の民俗学』(ともに青弓社)、『オトメの祈り』(紀伊國屋書店)、『性家族の誕生』(筑摩書房)、『〈民俗の知〉の系譜』(昭和堂)、編著に『憑依の近代とポリティクス』『戦死者のゆくえ』(ともに青弓社)など。