白狸の考現家 +図書

40手前で「読書」に目覚めた遅口です。知が凝縮された「宝物」。気付くのが遅すぎました・・・

聖戦のイコノグラフィ 天皇と兵士・戦死者の図像・表象 (越境する近代1)

 

内容(「BOOK」データベースより)

「聖戦」としてのアジア・太平洋戦争下で、天皇の身体はどのように表象されたのか―。百点を超える図像=イコノグラフィから「聖戦と弔い」の戦争プロパガンダの実態を照らし出し、天皇・兵士・戦死者の交差点で浮上する「死へと誘う表象」の権力性を解読する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

川村/邦光
1950年、福島県生まれ。大阪大学大学院文学研究科教授。専攻は宗教学、近代文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです

www.seikyusha.co.jp

紹介
「聖戦」としてのアジア・太平洋戦争下で、天皇の身体は軍神として写真や絵画で表象され、兵士たちは「雄々しい」皇軍精神の象徴として写真に収められた。100点を超える戦中期の図像=イコノグラフィから「聖戦と弔い」の戦争プロパガンダの実態を読む。

目次
はじめに──玉砕を唱える教師

第1章 視覚史料/資料としての“聖戦”の図像

第2章 聖戦のディスクールと図像
 1 聖戦の出現
 2 天皇の聖戦勅語
 3 画家たちの聖戦と聖戦美術展
 4 聖戦のディスクール
 5 聖戦と聖断

第3章 聖戦に降臨する現人神の図像
 1 天皇と皇后のジェンダー写真
 2 四パターンの天皇図像
 3 昭和天皇の最初の写真
 4 聖戦の始まりの天皇
 5 紀元二千六百年の天皇
 6 不可視から上半身・全身の天皇像、そして反復へ
 7 崇高なる馬上の天皇イコン
 8 神頼みをする歩く全身の天皇
 9 戦況の悪化と天皇・皇后像
 10 破局の帝国と軫念する天皇イコン
 11 笑顔の“東條さん”の失墜
 12 “御稜威”の衰微
 13 皇太子の登場
 14 帝都大空襲
 15 地に墜ちた天子
 16 大内山に引き籠もる天皇

第4章 聖戦に殉ずる皇軍兵士の図像
 1 皇軍勇士の登場
 2 陸海軍の軍神の誕生
 3 撃ちてし止まむ
 4 「撃ちてし止まむ」大写真ポスター
 5 「撃ちてし止まむ」群像
 6 「撃ちてし止まむ」国民運動とスタイル
 7 “無言の凱旋”と弔いの政治化
 8 遺骨のない“無言の凱旋”
 9 特攻隊の図像
 10 捏造された軍神のイコン

第5章 敗戦後、天皇イコンの行方
 1 益荒男と手弱女のイコン
 2 天皇の衣更え
 3 天皇の転身/背信
 4 「お芝居」する天皇
 5 天皇の八月十五日
 6 初めての“お笑い”天皇

第6章 聖戦の痕跡としての皇軍兵士の図像
 1 聖戦の痕跡となる遺影
 2 皇軍兵士の晴れの記念写真
 3 出征写真
 4 兵士の家族写真
 5 戦死者の葬列
 6 戦死者の葬儀と祭祀
 7 『靖国神社臨時大祭記念写真帖』と招魂式
 8 折口信夫の招魂式参列
 9 大君は「神としたまふ」
 10 アウラを発する英霊の遺影
 11 神々の敗北、黄昏、そして滅亡

おわりに──戦死者の遺影の痕跡から

あとがき

索引

著者プロフィル
川村 邦光(カワムラ クニミツ)
1950年、福島県生まれ。大阪大学大学院文学研究科教授。専攻は宗教学、近代文化史。著書に『幻視する近代空間』『巫女の民俗学』(ともに青弓社)、『オトメの祈り』(紀伊國屋書店)、『性家族の誕生』(筑摩書房)、『〈民俗の知〉の系譜』(昭和堂)、編著に『憑依の近代とポリティクス』『戦死者のゆくえ』(ともに青弓社)など。

 

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