白狸の考現家 +図書

40手前で「読書」に目覚めた遅口です。知が凝縮された「宝物」。気付くのが遅すぎました・・・

移民のヨーロッパ史 ドイツ・オーストリア・スイス

 

「移動する人々(ヨーロッパ)」の歴史
近代ヨーロッパにおいて、いかに多くの人々が国家の境界線ないし文化的・社会的境界線をこえて移動していたか。移動がもっとも激しかったドイツ・オーストリア・スイスを舞台とする、17世紀から現在までの、移民の歴史についての詳しい分析と記述。

いかに流動的であったか――
移民・統合・文化的交流は、近現代ヨーロッパの中心的問題でありつづけてきた。本書はドイツの歴史学者クラウス・J・バーデの主幹により二〇〇七年に刊行され、ヨーロッパ移民研究の出発点であると同時に基礎ともなっている百科事典『ヨーロッパの移民 一七世紀から現在まで』のなかから、とりわけ「移動する人々」の問題を抜きにしてはその歴史を語ることのできない「中欧」(国家としてはドイツ、オーストリア、スイス、部分的にはイタリアを含む)の各章を訳出した。近代以降の歴史を網羅的に読み解き、多くの事例を通じてさまざまな移民現象について明らかにする。

いま私たちは、グローバリゼーション、情報革命、気候変動、そしてパンデミーという未曾有の歴史的現象を経験しつつあるが、これらは今後、移動する人々がこえようとする境界線のありかたに間違いなく大きな影響をおよぼすであろう。移動する人々の歴史を振り返る想像力は、こうした境界線のありかたを見つめ直すことを迫り、「彼ら」と「私たち」の生きる社会のあるべき姿を見通す目にとって不可欠なものとなるだろう。(訳者「はじめに」より)

本書の構成
序章 移民研究における術語と概念の変遷
第I部 ドイツ―流動的な境界と移動する人々
第II部 オーストリアハプスブルク家の遺産
第III部 スイス―移民の経由地
第IV部 各論―ミクロな視点から見た移民の現場

 

 

 

 

 

f:id:jnsk_jojo:20211208171914j:plain

f:id:jnsk_jojo:20211208171918j:plain