白狸の考現家 +図書

40手前で「読書」に目覚めた遅口です。知が凝縮された「宝物」。気付くのが遅すぎました・・・

漆芸品の鑑賞基礎知識

 

漆芸品の鑑賞基礎知識

漆芸品の鑑賞基礎知識

 

www.kinokuniya.co.jp

内容説明
本書では、五千年に及ぶ日本の漆芸の足跡を辿り、その歴史を彩る名品の数々を紹介する。また、一般にはなかなか理解しがたい漆芸技術の詳細を、ヴィジュアルに、わかりやすく解説する。


目次
1 鑑賞のための基礎知識―技術を読み解く
2 漆工史に関する基礎知識
3 漆液と素地の採集に関する基礎知識
4 漆塗りとその工程に関する基礎知識
5 地場産業における漆

 

出版社内容情報
【本書の内容】
漆は、すでに近代社会から忘れ去られた物のように受け取られがちであるが、しかし、日用品のどこかには必ず漆が使
用されていることも確かで、無意識の内に手にとっているのが現状である。漆黒(しっこく)の言葉通り、漆の黒は日
本人の心の潤いである。古来ジャパンという語は「漆」を表すのも頷けよう。
● 第1章
この章の副題にあるごとく「技術を読み解く」ための項である。自らも漆芸品を製作、展覧に出品する著者が技術のな
んたるかを解説。漆塗り工程で生じるミクロン単位の漆皮部分を図解し、日本伝統技術の緻密さと美の関係を解き明か
した。本来は見えない部分も見えるように書き上げた章といえる。
● 第2章
出土作品はもちろんのこと、伝来の名品を、その時代の技術的特徴に沿って展開。漆芸品は、土中にあっては例えば木
質部は腐蝕しても漆は変色することなく残り、熱に強く腐蝕に強いという定説を裏づけている。また伝世品としては、
正倉院法隆寺などの各寺院に仏具や用具箱が保管され、世界に例をみない様々な貴重品が今に受け継がれている。
● 第3章
漆芸品の素材、つまり塗るための「漆液」と塗られる「木工」についての章である。筆者は東南アジアの調査を実施
し、その比較の中から日本漆の極めて優秀であることを解き、さらには既に日本には失われた技術の一端を再発見して
いる。
● 第4章
漆塗りの工程を解説したものであるが、いわゆる専門家向きに執筆されたのが残念である。これについては、近々図で
解き砕いた「美術と技術書」の刊行が予定されているので、詳しくはそれを待ちたい。
● 第5章
この章は、各地の漆工芸の中から、最も特徴的な輪島塗り、津軽塗り、会津塗り、沖縄漆器を取り上げた。
各地に口伝えに継承された技術が今に残されているではないか・・・・・・。それが目論見であったが、そのように
なっているかを紙上でご覧いただきたい。


【編集部より】
21世紀を迎え、漆はもっともマイナーなものの一つとして捉えられている。だからこそこのシリーズに加えたのであ
るが、漆の技術を真っ正面から、しかも解りやすく図解して捉えた本は少ないとして好評をいただいている。この反応
を見る限り、まだまだ漆は日本人に受け継がれて行くだろうことを確信している。日毎に高級品として扱われつつある
のはいささか残念だとは思いますが。


【著者紹介】
小松 大秀(こまつ たいしゅう)
学習院大学大学院修士課程修了。
東京国立博物館工芸課漆工室長
加藤 寛(かとう ひろし)
東京芸術大学大学院美術研究科漆芸修了
東京国立博物館学芸部企画課展示調整室長を経て、現在、東京国立文化財研究所。 
主要2名のみ

 

 

 

 

 

 

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