内容説明
2011年3月11日、午後2時46分。三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震が、東日本を襲った。この地震と津波の影響で、福島第一原発の1~3号機が緊急停止。非常用の炉心冷却装置が作動せず、原子炉圧力容器の水位が低下する深刻な危機に陥った。本書は、1995年刊行の旧版に、この福島第一原発事故についての詳細な考察を加え、新版として刊行するものである。事故は、非常用ディーゼル発電機の不作動が危機の引き金となったが、本書は旧版において、この非常用ディーゼル発電機の危険性を指摘していた。まさに本書は、現代に警告を発する「予言の書」であった。過去の事故を総ざらいし、老朽化を迎えつつある今日の原発の危険性と問題点を浮き彫りにする。いま読まれるべき独自の安全論である。
目次
1 原子力施設の事象の国際評価尺度
2 圧力容器をめぐる安全問題
3 蒸気発生器をめぐる安全問題
4 世界の二大原発事故
5 米国製原発の深刻な事故
6 旧ソ連製原発の深刻な事故
二〇一一年福島原発事故、どこが盲点だったのか―あとがきにかえて
著者等紹介
桜井淳[サクライキヨシ]
1946年群馬県生まれ。東京理科大学大学院修了。現在、技術評論家・物理学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。