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内容紹介
特集
100年後の民藝
「民藝」という言葉が生み出されてから、間もなく100年が経とうとしている。
20世紀前半につくられた造語である「民藝」は、
それまで評価されることのなかった日用品や雑器を
「民衆的工藝=民藝」として価値づけ、そこに美を見出したことに始まる。
宗教哲学者の柳宗悦と、その思想に賛同した工芸家らによって推し進められた
「民藝運動」は、美術品に劣らない美が生活道具に宿っており、
ひいては生活のなかにこそ美があると提唱した。
その思想は時代の浮き沈みのなかで文化運動や芸術へも変化し、
矛盾をはらんだ活動と指摘されたこともあるいっぽうで、
私たちの現在の生活文化にも影響を与えている。
特集「100年後の民藝」では、既存の評価をなぞるのではなく、
自分の評価基準でものを見ることを提示した「民藝」を参照する。
デジタルテクノロジーの発達や大量生産・大量消費、
そして大規模災害などを経験し、私たちとものとの関係は様々に変わっている。
草創期の「民藝」や、ものを思考し活動するデザイナー、
アーティストらへのインタビュー、同時代の動向などを見渡し、
誕生から100年後の新しい「民藝」を考える。
いまあなたにとって、本当に価値のある大切なものとはなんだろうか?
SPECIAL FEATURE
100年後の民藝
世界をつくる「もの」の再発見
PART1 民藝の現在地
ナガオカケンメイ(D&DEPARTMENT PROJECT)
矢野直子(良品計画)
服部滋樹(graf)
[展覧会レポート]
「柳宗悦の『直観』美を見いだす力」展
青柳龍太=文
対談:月森俊文×青柳龍太
[論考]民藝再考
さりげなく、たまたまな日々へのまなざし
鞍田崇=文
PART2 民藝を知る
「民藝」基礎知識
民藝運動の重要作家/キーワード
年表:トピックからたどる「民藝」とその周辺
民藝の周縁1:「アウト・オブ・民藝 民藝運動のはぐれもの」展
民藝の周縁2:AROUND THE MINGEI
民藝運動と同時代の文化動向
コラム1:未完の民藝 回帰と再生に向けて
石倉敏明=文
コラム2:工芸運動として、思想運動として
民藝運動の国際性と今後
鈴木禎宏=文
PART3 これからの民藝、もの、アート
梅津庸一 中尾拓哉=聞き手・文
池田剛介 櫻井拓=聞き手・文
高嶋晋一+中川周 西田博至=聞き手・文
上妻世海 誌上キュレーション
「つくる、つなぐ、あるいは、組み替える
イメージ・シンボル・物質を柔らかく」
[論考]自然という戦略 宗教的力としての民藝
沢山遼=文
ブックガイド/全国民藝館リスト/ギャラリー・ショップリスト
SPECIAL FEATURE
コレクションの可能性を再考する
座談会:美術館コレクションの未来
梅津元×横山由季子×冨井大裕
コラム:「ありふれたもの」を散漫にみること
原田裕規=文
美術館・展覧会紹介
愛知県美術館/福岡市美術館/
埼玉県立近代美術館/横浜美術館/
東京都現代美術館/広島市現代美術館
ARTIST PICK UP
ジョーン・ジョナス
シュウ・ジャウェイ
WORLD NEWS
New York/London/Nottingham/Vienna/Brisbane/Art Scene/Insight
ARTIST INTERVIEW
毛利悠子
松井茂=聞き手
美術手帖×VOLVO ART PROJECT
GO! ARTISTS GO! Vol.66 増田光
写真でたどる、レミーマルタンのものづくり
那須塩原「ART369」でアート巡りを楽しもう!
REVIEWS
「起点としての80年代」展+
「ニューウェイブ 現代美術の80年代」展+
「バブルラップ」展+「アーカイヴ/1980年代─静岡」展
椹木野衣=文
「内田鋼一展 ― 時代をデザインする」
清水穣=文
平山昌尚「つづく」33話
青柳龍太「我、発見せり。」(7)焼や 千酔千良
プレイバック! 美術手帖 原田裕規=文
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