『古清水』とは、今日では京都の焼き物の変遷の中では前期の京焼色絵陶器の事を指して用いられています。
その名の起こりははっきりしませんが、後に登場してきた磁器の『清水』焼に対し、在来の陶器の清水焼を区別するために、いつともなく『古清水』と名付けられたもののようです。
清水とはいいますが当時盛んに作られていたのは、東山粟田口周辺でした。そして寳山窯は当時、粟田を代表する窯の一つでありました。
熨斗(のし)を用いた意匠は、桃山時代から江戸時代初期の城郭建築や霊廟建築の熨斗目金具などもみられ延寿祝儀の意味を表し好んで用いられたデザインです。赤を基調にし金彩をふんだんに使用したところは、通常の古清水の緑・藍・金の作よりも、豪華にそして華やかな雰囲気を醸し出しています。
江戸時代作の本歌を、二十代寳山先生が忠実に写した作品も展示・販売しております。粟田を代表する窯を源にする寳山だからこそできる古清水写しの逸品です。
<期間>平成29年6月14日(水)~7月17日(月)
10時~19時(火曜日定休)
<場所>ギャラリー&デザインラボ 無一物(むいちもつ)
奈良県奈良市西木辻町200-62 Tel:0742-22-3802
【㈱京都書院が昭和47年に出版した『古清水』という図鑑に掲載されています。】
┣・1つだけ【古清水】の器を私も所有しておりますが、たまにお見かけするこの陶磁器を見ていて、あまりにも多彩で・これといった特徴が言い当てにくいことから、図書館で調べて・この“どでかい図鑑”を借りてみた次第です。(^_^;) 想像以上に多彩でしたね。
┣・場所柄、歴代の偉人達の発注を受けてきたことがあるだけに“魅せます”よね。ただ“流行の写し”のようにも思え、でもそれが“上品に”生かされている、そんなところでしょうか。土の質としてはどうなのでしょうかね。【薩摩焼】によく似た肌合いのものが多い気がしますけれど・・・ ?
┗・「やきもの」は知れば知るほど、どの焼き物も類似性が高まるような気がします。(^o^;) やっぱり他所が気になるから真似て確かめ・試作したでしょうし、それが良ければ幾つか作り続けるでしょうしね。 あまり深く考えず、己の感性とマッチングした器を手にすれば・それでいいのかなとも思いました。「知識は百害あって一利なし」?(苦笑)