内容紹介
全国で深刻な問題となっている鳥獣害。その対策を動物別に紹介する。
イノシシ、サル、シカ、ハクビシン、アライグマ、クマ、ヒヨドリ、ヌートリアなど、
動物の行動学に基づいた対策をわかりやすく伝える。
侵入した動物の種類の見分け方、侵入経路の確認、具体的対策、正しい柵の設置方法、
侵入されにくい電気柵の設置方法など、生産者にとって実用的な内容となっている。
■目次
第1章 鳥獣害対策をはじめる前に…野生鳥獣による農作物被害の対策/野生動物から守りやすい田畑とは/間違った対策を引き起こす農村伝説
第2章 イノシシの対策…捕獲によるイノシシ対策と問題点/行動特性を考慮した防護策設置/電気柵の特徴と設置実例/防護策設置のポイントと注意点
第3章 シカの対策…シカによる農業被害が拡大する要因/シカの行動と柵設置による被害対策
第4章 サルの対策…被害対策のために知っておきたいニホンザルの能力/効果が出る「集団ぐるみの追い払い」の行動様式と実例/サルにも有効な防護策設置と、群れ単位の個体数管理
第5章 クマの対策…ツキノワグマ対策の問題点/ツキノワグマの行動特性と被害対策
第6章 中型野生動物の対策…ハクビシンとはどのような動物か/ハクビシンの侵入経路/ハクビシンに対応した防護柵設置/アライグマの被害と対策/アナグマ・タヌキの被害と対策/テン・ヌートリアの誤解と対処法
第7章 鳥の対策…鳥類の生態と被害対策の考え方/スズメの被害対策/ヒヨドリの被害対策/カラスの被害対策
第8章 野生獣の資源化と被害対策…くくり罠とジビエ振興をめぐる仮想未来的な懸念
********************************************************************著者について
江口 祐輔:麻布大学大学院博士後期課程終了。農研機構西日本農業研究センター 鳥獣害対策グループ長。イノシシを中心に、ニホンザル、ハクビシンなど野生動物の感覚・運動・学習能力等を行動学的手法によって解明。現場の被害対策に役立てる研究に取り組んでいる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
江口/祐輔
1969年神奈川県生まれ。農水省中国農業試験場研究員、麻布大学講師等を経て、農研機構西日本農業研究センター鳥獣害対策技術グループ長および麻布大学客員教授。専門は動物行動学、動物管理学。イノシシを始め様々な動物を対象に、運動・感覚・学習能力の解明と鳥獣害対策の研究と普及に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
┣・「鳥獣問題」の書籍はこれまでにも散々目を通してきましたが、本書も写真が豊富かつ具体例が多く掲載されており、読んで見てとても興味深かったです。(^_^)
┗・ハクビシンにアライグマ、また千葉郊外ではキョンの繁殖が広がっています。彼らは餌場を求めて彷徨います。そのことを強く自覚しているかどうかが肝要です。