山口県立萩美術館・浦上記念館名品展 やきものが好き、浮世絵も好き
内容
山口県立萩美術館・浦上記念館は、萩市出身の実業家で美術品コレクターである浦上敏朗氏が、中国・朝鮮の陶磁と浮世絵版画あわせて約2500点を山口県に寄贈したことをきっかけとして平成8年(1996)に開館した美術館です。以来同館では、やきものと浮世絵を柱とする魅力的なコレクションを、寄贈や購入によってさらに豊かなものとしてきました。
その特徴は、一人のコレクターの慈しみに満ちた眼差しが選び取った作品の妙といえます。陶磁器は、力強さにあふれた先史時代の土器にはじまり、愛らしい小ぶりの唐三彩、瓢逸な図柄の古染付、静謐さをたたえた高麗青磁、のんびりした姿の朝鮮の染付などが、絶妙に取り合わされています。一方、浮世絵は、錦絵創始期の鈴木春信をはじめ、喜多川歌麿の美人画、東洲斎写楽の役者絵、葛飾北斎の「富嶽三十六景」、歌川広重の「東海道五十三次之内」、さらに最近人気の歌川国芳など、誰もが知っている代表的浮世絵師の名品揃いです。本展覧会は、このような山口県立萩美術館・浦上記念館所蔵品の中から、東洋陶磁130点と浮世絵62点、計192点を特に厳選し、開催するものです。同館のコレクションを東京で今回ほどの規模で展観するのは、これが初めてです。さらに当館にとりましても、本展は浮世絵版画を展示する初めての機会となります。