もっと知りたいモネ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
- 作者: 安井裕雄,高橋明也
- 出版社/メーカー: 東京美術
- 発売日: 2010/01/30
- メディア: 単行本
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□巨匠の輝ける軌跡を追った伝記画集の決定版。家族や交友関係、旅、日本との関わり、没後の評価や影響にも触れ、表現において、また個人の生活においてどのような道を歩んだかを辿る。
□モネは、ノルマンディーの海辺で過ごした幼少年期から、終の棲家ジヴェルニー時代まで、終生「水」を通じて移りゆく光と色彩を描き続けた画家でもあった。本書は彼の生涯を水辺の旅として捉え、水の表現の変遷や、刻々と変化する光や時間へ向けられた眼差しにも注目する。
□「睡蓮」をはじめとする連作の比較、部分拡大、他の画家の作品との比較などを多用して、多角的にモネ芸術の魅力を浮き彫りにする。目 次
はじめに クロード・モネ-その輝ける軌跡。
序章 ノルマンディー時代(1840-1858年★0歳-18歳)
●もっと知りたい(1) モネとセーヌ川-セーヌ流域を回遊し続けたモネの人生
◆コラム-モネ少年のカリカチュア
◆コラム-モネの才能を見出した画家ブーダン第1章 パリへ--若き仲間との交流(19歳-31歳)
サロンへの挑戦-順調な滑り出しに続く相次ぐサロン落選
庭を描く-身近な情景の中に見出した新たなモチーフ
新たな発表の場を求めて-サロン落選からの出発
●もっと知りたい(2) モネの静物画-戸外制作の画家モネが終生、静物を描いた訳
◆コラム-浪費家モネと生活難
◆コラム-息子の誕生第2章 「印象派」への道(1872-1882年★32歳-42歳)
美しき近代都市パリの風景-モネの長い画業のなかで数少ないパリの都市風景
印象派のゆりかご、アルジャントゥイユへ-モネ、マネ、ルノワール……パリ郊外で実現した競作
妻、そして息子、モデルとしての家族-伴侶として、父親として、家族への温かなまなざし
妻の死顔を描く、画家としての業-苦労をともにした妻カミーユ、モネを打ちのめした早すぎる死
●もっと知りたい(3) 印象派展の変遷-画壇の権威サロンに対抗し、若者らが立ち上げた独立展
●もっと知りたい(4) モネと駅、鉄道-19世紀パリ、そのモデルニテ(近代性)の象徴
●もっと知りたい(5) モネと日本の美-異国への憧れから、インスピレーションの源へ
◆コラム-第一回印象派展
◆コラム-印象派の色彩
◆コラム-初期の印象派のコレクターたち
◆コラム-モネと二人の妻
◆コラム-モネと日本を結んだ画商、林忠正第3章 ジヴェルニーへ--旅の時代、連作の時代(1883-1898年★43歳-58歳)
新しい視覚体験を求めて-主題、構図、そして色彩に変化をもたらした旅
風景のような人物-モネの画業において最後となる戸外人物像
「連作」へ-さまざまな天候・時刻、同一の主題を描き分ける
豊かな田園の象徴-積みわら
リズミカルな展開-ポプラ並木
光の効果の探究-ルーアン大聖堂
●もっと知りたい(6) 印象派の巨匠、水へのまなざし
●もっと知りたい(7) モネと画商、コレクター-画家モネを世に送り出し、支えた支援者たち
◆コラム-マネの死
◆コラム-大家族モネ
◆コラム-抽象画家カンディンスキーを誕生させた「積み藁」
◆コラム-アトリエと戸外制作
◆コラム-モネとアメリカ第4章 「睡蓮」の時代(1899-1926年★59歳-86歳)
水、光、そして睡蓮へ-
睡蓮の池の変奏曲
色彩の饗宴-花の庭
異国の光の中で-霧の都ロンドンと水の都ヴェネツィア、その光に魅せられて
水鏡と睡蓮-虚像と実像
ただ睡蓮だけを描いて
妻と息子の死を乗り越えて-睡蓮の館という最後の夢
●もっと知りたい(8) ジヴェルニーのモネの庭-40年の歳月をかけて完成したモネ最大のカンヴァス
●もっと知りたい(9) オランジュリー美術館の歴史
●もっと知りたい(10) オランジュリー美術館の「睡蓮」の美-日没から日没へ、終りのない循環を暗示する8点
◆コラム-モネと花
◆コラム-ジヴェルニーの訪問客
◆コラム-プルーストと「睡蓮」
◆コラム-松方幸次郎と「睡蓮」
◆コラム-温室から美術館へ終章 没後の再評価から現代へ-モネの遺産
巻末情報 モネの作品を所蔵する主な日本の美術館