白狸の考現家 +図書

40手前で「読書」に目覚めた遅口です。知が凝縮された「宝物」。気付くのが遅すぎました・・・

路上と観察をめぐる表現史 考現学の「現在」

 

路上と観察をめぐる表現史 ──考現学の「現在」

路上と観察をめぐる表現史 ──考現学の「現在」

 

 観察の名手たちと、「つくり手知らず」による、路上のマスターピース

今和次郎らが関東大震災を機に始めた「考現学」とは、東京の街と人々の風俗に注目し、生活の
現状を調査考察するユニークな研究でした。その後、1986年に結成された路上観察学会をはじめ、
「路上」の事物を「観察」することで市井の創造力に注目する活動が、現在にいたるまでさまざま
な分野で展開されています。

広島市現代美術館で開催される「路上と観察をめぐる表現史―考現学以後」展では、観察者が路上
で発見した創作物をあらためて紹介するとともに、観察/発見という行為が「表現」に昇華する様
子を検証します。

本展の公式書籍である本書は、出品作家による作品図版・貴重資料はもとより、都市論、建築学
表象文化論、美術批評などさまざまなフィールドの論考やコラムを収録し、路上と観察をめぐる壮
大なクロニクルを多角的に考察していきます。


■ 「路上と観察をめぐる表現史─考現学以後」展覧会 公式書籍
広島市現代美術館(2013年1月26日〜4月7日)にて開催

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【出品作家・グループ】
今和次郎、吉田謙吉、木村荘八岡本太郎、コンペイトウ、遺留品研究所、
真壁智治、林丈二、一木努、赤瀬川原平路上観察学会大竹伸朗都築響一
チーム・メイド・イン・トーキョー(アトリエ・ワン+黒田潤三)、
ログズギャラリー、下道基行 ほか

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普段は見過ごされがちな目の前にある状況にあらためて価値を見出し、豊かな意味を孕んだ現象
として捉え、差し出す行為自体が、ひとつの表現として強度を備えていることに気付かされる。
またそれは、作品制作に直接結びつく材料を提供するのではなく、制作する行為そのものについ
ての思考を促すものとしての重要性を帯びていただろう。
──松岡剛(広島市現代美術館)「観察者たちがもたらすもの」より

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