白狸の考現家 +図書

40手前で「読書」に目覚めた遅口です。知が凝縮された「宝物」。気付くのが遅すぎました・・・

秀吉の虚像と実像

 

秀吉の虚像と実像

秀吉の虚像と実像

 

┣■『太閤立志伝』。日本に於いて『秀吉』ほど有名な歴史的人物もいないと思われます。また好かれていたばかりでもなく、案外嫌われていたりもする、まさに超有名人です。(笑) 知れば知るほど「?」な箇所も本当に多い人物像だったりします。その多彩に渡る『秀吉』話を、歴史学の実像面と文学の虚像面の二方面から検証し、その真実に迫ろうとする、なかなか興味深い本でした。

┣■趣旨があまりにもよろしいので敢えて苦言を申せば、頭の硬い大学教授や歴史博物館館長らの語りが小難しくて、読み進めるのにひと苦労。もっと児童に語り聞かせるような文体にしても良かったのではないかと感じました。「実はこういう話もある」みたいな優しい口調で。また一個人が調べ上げたものゆえ、抜き漏れた話もあるはずで、例えば秀吉といえば指が奇形・6本指だったという逸話もありますよね?(漫画【センゴク】でも描かれていたはず。) そういう感じでまた後の調査から追加できるような、アーカイブス的な作りでも良かったかなと思うほど、濃厚な内容となっています。

┣■秀吉の「異父兄弟姉妹」話は初耳だったので、大変興味深く読ませて頂きました。十分有り得る話ですよね。そうした“リアル”秀吉物語など『ラジオドラマ』でもいいので聞きたいものです。『テレビドラマ』ではさすがにちょっと無理そうだし。(笑) 

┗■目次をご覧頂いてもお分かりのようにかなり広範囲に渡って検証されています。歴史好きな人にはお薦めできます。ハイ。

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