ブラッドランド 上: ヒトラーとスターリン 大虐殺の真実 (単行本)
- 作者: ティモシースナイダー,Timothy Snyder,布施由紀子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2015/10/15
- メディア: 単行本
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┣■先の大戦『大東亜戦争』で亡くなられた日本人犠牲者の数は政府公式発表で「軍人230万人、民間人80万人」とのこと。そして本書が取り上げる『第二次世界大戦・東欧・バルト三国・ロシア西部』のブラッドランド(流血地帯)ではその数「1400万人」に上るそうです。大東亜戦争も周辺諸国の民間人の数も含めればまだまだ増えると思われますが、これだけの「殺戮・飢饉」が彼の地であったことをどれだけの日本人が知っているでしょうか? 娯楽番組などを見て「うわー、キレイな所。素敵ぃ!」などと過去の歴史背景も考慮せずに口にしている輩は相当多いと思われます・・・ 『東西の壁』と『戦後教育』の都合の良い事実を痛感させられました。(悲)
┣■上下巻に分けられた大作ですが、程よく章が設けられており、また当時の勢力図がこまめに載っており、ガツンと心を掴まれたならば一気に読み進めてしまうはず。よく編集されており、痛く感心しました。またそれは「心揺さぶる語り」からそう配慮せざるを得なかったのかもしれませんけど・・・ 【戦争】というものの「恐ろしさ・愚かさ・まやかし」を、彼の地での出来事からも我々日本人は学ぶべきだと私は思います。
┗■『テロル』という言葉を本書から学びました。『テロ』も意味しますが『恐怖政治』を示す言葉でもあるようです。昨年2015年は「戦後70年」と皆で声高に叫んだはずですが、気に入らない相手国への侮辱や威嚇は一向に治まっていません。これでは「ガキのまま」じゃないですか? とても悲しい、とっても・・・