新しい学問的方法の台頭や多元化する宗教・文化状況で、キリスト教が無条件に超越的・絶対的真理性を主張することは不可能ではないか。社会学者マックス・ウェーバーの同僚兼同居人としてたがいに深く影響を与え合った著者は、それまでの神学的・哲学的議論を精査し、キリスト教がひとつの歴史的形態にすぎないことを認めつつも、なお他の啓典宗教やインド思想・仏教との比較を通じて、キリスト教の偉大さを示そうとする。
みずからの価値を再確認し、さらなる前進を促す本書は、トレルチ生誕150年、ますます多元化する現代において、必ず読みかえされなくてはならない古典的名著である。