白狸の考現家 +図書

40手前で「読書」に目覚めた遅口です。知が凝縮された「宝物」。気付くのが遅すぎました・・・

週刊東洋経済 2016年2/27号 グローバルリスクの震源 中東危機/郭台銘のカネ、人、野望/金融波乱はまだ終わらない

 

週刊東洋経済 2016年2/27号 [雑誌]

週刊東洋経済 2016年2/27号 [雑誌]

 

┣■年初から【金融市場】【中東情勢】話が続きますが、今号もその二大テーマを主軸に持ってきました。その軸となる特集記事もさることながら、【鴻海精密工業】を始めとする企業分析もなかなか読ませるものがありました。これも読み終えるのに時間と頭をかなり消費しましたね。(^^ゞ

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┣■巻頭の『経済を見る眼』で苅谷剛彦 オックスフォード大学教授が「グローバル人材と大学」について語っているのですが、日本の大学&企業の体質改善は確かに仰る通りだと私も思いました。そういった観点からも日本の雇用体系は見直されていくべきなのかもしれません。「同一賃金・同一労働」「正社員=配置転換可能」という改善ですね。

┣■『iPhone』減産が叫ばれていますけど、販売台数自体はアップデートする度に1000~2000万台レベルで増加してますからね。そろそろ“頭打ち”ってなだけでしょう、コレ。そんなに【アップル】ばかりに頼っているのは逆に不健全ですけどね。データを見るとそういう背景がよく分かります。

┣■【ゆうちょ銀行】運用難が見開き1頁で語られています。株価は1823円→一時1200円を割り込んだって、TVでは本当に報道しませんね。「聖徳太子の旧1万円札」を握りしめて「ゆうちょ銀行株」を購入した個人投資家が多かったとか。「あぁ、金庫を最新のに変えた方がマシだった」と嘆いているのかもしれません。(笑) 「3万円の給付金」のバラマキはこのため?とも思いましたが、アレは貧乏人対策ですからね。富裕層・中所得者の高齢者の票は【自民党】以外に流れそうです。その代替策で貧乏人? 暗い、暗いぞ、【自民党】の未来は。(苦笑) 【日本マクドナルド】はやはり身売り濃厚かなぁ?

┣■今号を読んで私は鴻海精密工業】の印象がだいぶ変わりました。「徹底した経営集中と断固たる死守」精神・哲学とでも言うのでしょうか。その基盤は小さな街中にある“商人魂”だったんですね。なかなか面白かったです。本音を聞き出すにはやはり相手の言葉で詰め寄らないとダメみたいですね。(笑) 確かに他社ではここまで触れられていないと思いました。

┣■【金融】ネタに関してはこれから起こるであろうリスクオフ「第3ステージ」まで図解で語られていたのは良かったですね。「結局、最後は原始時代に戻ってしまう『マイナス金利』の罠」という指摘も的を射ていると思います。金融機関が縮小し、お金が簡単に借りられなくなった社会 “ひと昔前の時代” に逆戻り。確かに考えさせられるものがあります。また最近の【ドイツ銀行】ショックの解説もされており、短い特集記事でもあり一読をお勧めします。

┣■そしてメインの【中東】特集ですが、これは相当詳しかったですねぇ。前にも濃厚な【中東】状勢を読んだ記憶があるのですが、先月の【週刊エコノミスト】でしたか。あちらとはまた違った切り口で、読み進めながら中東の世界にどっぷりと浸っておりました。(^^ゞ 中東関連の新書を何冊もまとめた上げたような濃厚な誌面構成となってます。

┣■今起こっている『中東問題』は決して遠い地だけでの話ではなく、東洋の我々日本人も考えさせられる事象を孕んでいます。「若年層膨張リスク」「サウジの国家改造」などは他人事じゃないと私は思います。

┣■そして【イラン】の「ビジネス地図」が凄かった。ペルシャ人、侮るべからず。実はとても慎重な姿勢を見せるペルシャ人には、こちらも今まで通り・慎重な面持ちでいてもいいのかもしれません。だいぶリスクを感じさせる土地柄ですね。欧米を始め、中韓は積極的に進出しているけれど、私なら・・・ かな。決して悪い人種とかって言うわけではないのですが、その宗教を楯に取った経済構造には腐敗・賄賂の臭いがプンプン漂ってきます。

┗■【ISISイスラム国、【シリア】問題の内情も詳しく説明されています。そして最後にイスラム女性側から見た「女性観」は、今日本がもっとも問われるべき話でもあると思います。歴史・他国から学び得られるものは多いです。四十を過ぎた今頃になって気付くのも遅いのですが。(苦笑)(^^ゞ

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