白狸の考現家 +図書

40手前で「読書」に目覚めた遅口です。知が凝縮された「宝物」。気付くのが遅すぎました・・・

越境者の政治史 アジア太平洋における日本人の移民と植民

 

越境者の政治史―アジア太平洋における日本人の移民と植民―

越境者の政治史―アジア太平洋における日本人の移民と植民―

 

┣■日本人の海外での苦労話の中で、時折、降って湧いたように現れるのがこの『日本人の移民・植民』。義務教育の教科書ではトンとお目にかかれない話です。あっても数行でしょう。今や世界中から『難民鎖国国家』と揶揄される日本ですが、その背景にはこうした『移民政策』での苦い経験があったから? そのように思わず裏読みしてしまいました。。。

┣■「北海道」「ハワイ」「南樺太」「朝鮮」「台湾」「南北アメリカ」の移民について書かれています。「沖縄」に関しては大戦後のことについてですね。どうせならば薩摩藩によって牛耳られていた時代から、または大和民族による日本列島分布から描いて見せて欲しかった。それくらい深い・貴重な資料となっています。

┣■「国家としての約束事でも他国は守ってくれない」。そんな苦い思いが日本の官僚にはきっと存在するのだと思います。ならば逆手にとって堂々と『鎖国政策』を採り、約束を反故にする国に対して文句を言ってやればいい。何ら忠告もせずに黙っているのは相手にとっても良くない話だと、幼い頃に学校などで教え込まれた覚えがありますけど?

┗■戦後70年の節目として過去を語る先達者が増えてきました。日系人による苦労話も度々目にしますが、一度、国として正式な見解を記した書物を読んでみたいものです。政策を立案したのだから、結果報告は付きものでしょう。違いますか? 

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