白狸の考現家 +図書

40手前で「読書」に目覚めた遅口です。知が凝縮された「宝物」。気付くのが遅すぎました・・・

粕谷一希 随想集 Ⅲ 編集者として

 

編集者として (第3巻) (粕谷一希随想集(全3巻))

編集者として (第3巻) (粕谷一希随想集(全3巻))

 

┣■最終巻では編集者として生涯を通した【出版業界】について語られている。残念ながら第二巻の2014年夏前にお亡くなりになられた。『教養主義』を身に纏った編集者というのは一体どれくらい今でも生存しているのだろう。今では原稿もメールやFAXで簡単に送ってしまう時代。そんな煩わしい手間など失われつつあるのだろうか?

┣■私の短い執筆活動(素人の片手間)の経験上、メールのやり取りだけ済ませて面識のないところは程なくしてどこも廃刊の運命を辿っていった。『太陽』なども長い大衆誌と言えると思うが、分野の違いはともかく「何をやりたい・伝えたいのか」考えが揺らがない編集長の存在はとても大きい。それでも読者は紙媒体から離れていきますか?左様か? 読書離れの最も大きな要因は「お金がそこまで回らない」通信媒体(携帯電話)に奪われてしまったからだ。一家に一台から一人一台に。車も地方へ行けば一人一台だ。シェアされるのが図書ばかりでは割に合わないと思わない ?? 

┗■まさに随想集にふさわしい内容・装丁だったと思う。遅まきながら今から少しでも『教養主義』をあやかりたいと願ってやまない。

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